軽自動車は、購入費用や維持費が安いことから、学生の車通学に人気があります。しかし、実際に車通学を始めると、思っていたよりも費用がかかってしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、軽自動車にかかる維持費」「学生にお勧めの軽自動車」の紹介。実際に軽自動車にかかる維持費を具体的にシュミレーションしています。
親御さんも必見!
お子様が軽自動車を購入・車通学を希望している親御さんも、ぜひ参考にしていただき、電車・バス通学との比較も行って親子で納得できる車選びをしてください。
学生の「車の維持費」はどのくらい?おすすめ軽自動車とシミュレーション
軽自動車の維持費の内訳
軽自動車にかかる費用は大きくわけて3つあります。
この3つの費用を合計したものが、軽自動車にかかる費用となります。
まずは、車両代金から見ていきましょう。
1.車両代金
軽自動車の車両代金は新車と中古車で大きく異なります。新車の場合、車種やオプションによりますが、100万円から150万円程度が一般的です。特に人気のある車種やオプションを追加すると、200万円近くになることもあります。一方で、中古車の場合、走行距離や年式によって価格が変動しますが、50万円から100万円程度で手に入ることが多いです。
ポイント:
- 新車:100万円~150万円(人気車種やオプション追加で200万円近く)
- 中古車:50万円~100万円(走行距離や年式による)
2.ガソリン代、税金、車検代などの維持費
次に、日常的に発生する維持費について見ていきましょう。
ガソリン代: 軽自動車は燃費が良いため、ガソリン代は比較的安価です。ガソリン代は片道20kmを往復300日まで往復12,000km/1年として計算、新車25.0km/ℓ、1ℓ160円で計算すると、年間約76,800円です。
税金: 軽自動車の自動車税は年額10,800円です。これは普通自動車と比べて非常に安価です。
車検代: 軽自動車の車検は2年ごとに必要で、費用は7万円~10万円程度が相場です。この費用には、検査費用、整備費用、消耗品の部品交換費用、法定費用(重量税、印紙代、自賠責保険)が含まれます。
その他の維持費: タイヤ交換やオイル交換などの定期メンテナンス費用も考慮する必要があります。これらの費用は年間で約1万円から2万円程度です。
1年間の維持費 | 維持費 |
---|---|
ガソリン | 76,800円/年 |
メンテナンス オイル交換 | 10,000円/年 |
自動車税 | 10,800円/年 |
車検 | 7万円前後 |
・車検整備+基本代金 | 30,000円 |
・自賠責保険 | 17,540円 |
・重量税 | 6,600円 |
・消耗部品その他 | 10,000円 |
1年間の維持費 合計 | 161,740円/年 |
1か月の維持費 | 車検がある年 13,478円/月 車検がない年 8,133円/月 平均 10,805円/月 |
中古車の場合、これに加えて故障修理や消耗部品の交換リスクが伴います。車検代金、メンテナンス料に1,000円/月ほど、予算を増やしてください。
また、駐車場がない場合は駐車場代金を加えてください。スタットレスタイヤが必要な場合は、スタットレス代金60,000円が加わります。
3.自動車保険
自動車保険も必要な費用です。特に学生の場合、年齢や運転経験により新規で加入するととても高額です。一般的に18歳~21歳の学生が「通学で使う自動車保険料」は年間20万円~25万円になります。新規契約の場合、年間10万円以上になることも珍しくありません。運転歴が長くなり、無事故の期間が続くことで、保険料は徐々に下がっていきますが、初年度は高額になることを覚悟しておきましょう。
保険料が安いJAなどの共済でも年間17万円~18万円の保険料がかかってしまうため、月払いに換算すると15,000円~20,000円かかってしまう計算です。しかし、等級の高い「親の保険」をもらうなどすれば、半額以上保険料を安くできる場合もあるので、事前に保険会社に相談しておくと良いですね。
ポイント:
親の保険を利用:保険料を半額以上安くできる場合あり
初年度保険料:年間20万円~25万円(新規契約)
共済保険料:年間17万円~18万円(月額15,000円~20,000円)
学生の通学にお勧めの軽自動車
学生が車を購入する際、できるだけ安い車や中古車をと考えがちですが、車屋さんから見るとこれは正解ではありません。できれば新車や、中古車なら年式が新しく走行距離が少ない程度の良い車をおすすめします。
なぜ安い車はおすすめできないのか?
安い車を購入すると、消耗が激しく、修理やメンテナンス料がかかってしまいます。特に古い車や走行距離が多い車は故障が多く、結果的に維持費が高くなりがちです。新車や状態の良い中古車を選ぶことで、長期間安心して乗ることができ、トータルコストを抑えることができます。
新車や高年式の中古車を買うメリット
新車や高年式の中古車を買うメリットをお話ししていきますね。
100万円以上の車は無理と考える方へ
100万円以上の車は無理と考える方は多いですが、大学生時代の4年間だけ乗って、売ってしまうという考えもありではないでしょうか?
高年式の軽自動車は査定があまり下がりません。学生時代の4年間大切に乗った車なら、購入時の6~7割ほどの価格で買い取ってもらえる可能性があります。
安い車だからといって飛びつかず、4年後の買取価格まできちんと検証して購入しましょう。
ローンを利用する場合
ローンを利用する際は、銀行ローンがおすすめです。銀行ローンでは所有権が付かないため、4年後に自由に車を販売できます。売却して得たお金でローンを完済することができ、高品質な車を手に入れつつ、4年間の使用後に大きな経済的負担を避けることが可能です。
一方、残価設定ローンは避けるべきです。このローンは契約終了時の残価(車の予想価値)を省いてローンを設定するため、毎月の支払額が抑えられますが、いくつかのリスクがあります。残価設定ローンは複雑で、車屋さんによっては残価を高く設定し、毎月の支払額を無理に抑えるケースもあります。さらに、走行距離の制限があると、契約終了後に一括精算時に予想外の出費が発生することがあります。
卒業後に借金を抱えたくない場合は、銀行ローンを選ぶことをおすすめします。
学生の通学にお勧めの軽自動車
学生の通学に適した軽自動車を選ぶ際のポイントは、以下の5つです。
- 車両本体価格が安い車
- 燃費が良く、毎日かかるガソリン代を最低限に抑えられる車
- 税金が安い車
- 故障や修理が少なく車検代も安い車
- 自動車保険が安い車
これらの条件を満たす、学生にお勧めの軽自動車を紹介します。
1. ダイハツ ミライース
- 車両本体価格:新車価格は1,232,000円~。中古車市場でも50万円~80万円程度で流通しています。
- 燃費:ミラも燃費が良く、25km/L前後のモデルが多いです。
- 税金:軽自動車のため自動車税は年間1万800円です。
- 故障や修理:信頼性が高く、定期メンテナンスをしっかり行えば故障も少ないです。車検費用も低めです。
- 自動車保険:比較的安価で、親の保険を利用することでさらにコストを抑えられます。
2. ホンダ N-ONE
- 車両本体価格:新車価格は約188万円~。中古車は100万円程度で購入可能です。
- 燃費:N-ONEは25km/L前後の燃費性能を持ち、通学においてガソリン代を抑えられます。
- 税金:軽自動車のため自動車税は年間1万800円です。
- 故障や修理:信頼性が高く、故障が少ないです。車検費用も比較的低めです。
- 自動車保険:ホンダの車は保険料が少し高めですが、親の保険を利用することでコストダウン可能です。
3. スズキ アルトラパン
- 車両本体価格:新車価格は1,573,000円~(グレードによる)。中古車は100万円程度で見つかることが多いです。
- 燃費:アルトラパンは30km/Lを超える燃費性能を持つモデルもあり、通学に最適です。
- 税金:軽自動車のため自動車税は年間1万800円です。
- 故障や修理:シンプルな構造で故障が少なく、部品も安価で手に入るため、修理費用が低く抑えられます。
- 自動車保険:車両価格が安いため、保険料も比較的安価です。
実際のシュミレーション★ミライース
では、ここからはミライースの購入費用と維持費を実際にシュミレーションしていきますね。
購入価格と維持費
当社が、ミライースをお勧めするのは、軽自動車の中では最強のコストパフォーマンスが得られる車だからです。
ミライースの新車は、35.2km/ℓでハイブリッドなみに燃費が良いのでガソリン代がかかりません。また、新車購入時は、環境性能割・自動車税が免税になるので、7万円~8万円ほど費用を節約できます。
また、とてもコンパクトな設計で、大きく空間をとったハイトール軽自動車と違い、運転が未熟な大学生にとって扱いやすく小回りが効くので、ぶつけて余計な出費がかさむ心配がありません。
ミライース | 新車購入価格 |
---|---|
グレード | G SAⅢ / 駆動方式 2WD / ミッション CVT |
本体価格 | 1,232,000円 (2024年7月価格) |
ナビTV 社外 | 150,000円 |
自賠責保険 | 24,010円 |
重量税 | 3,700円 |
環境性能割・自税 | 免税 |
納車・その他費用 | 20,000円 |
合計 | 1,49,710円 |
ローン/月 | 頭金10万円 17,705円 /月 銀行金利3% 7年ローン 4年後、60~70万円の買取でローン返済できる |
学生がミライースの「中古車」を購入する場合
ミライースは2011年から発売されていて発売当初から30km/ℓの低燃費走行なので中古車でもガソリン代が安く抑えられます。
中古車のミライースを買うなら、ちょうど2度目の車検をとった後の5~6年落ちの中古車がお勧めです。車検が1年以上付いていて60万円~70万円前後で手に入ります。修理や故障が少ない走行3万キロ~4万キロの車がお勧めです。
車検は2年に1度ですから車検付きの車を購入すれば、4年生の大学なら在学中に1度だけの車検ですみます。
ミライースは2017年からフルモデルチェンジをしているので、2018年~2019年の中古車を狙うと最新モデルで、車検付き、比較的安値で手に入れることができます。低価格な割に、性能も良く人気も高いので大学生には「ねらい目の軽自動車」と言えます。
また、中古車を購入するメリットは他にもたくさんあります。
下の表は大学在学中の4年ローン、銀行金利3%で計算しています。
ミライース | 中古車 5年落ち購入価格 |
---|---|
グレード | SAXリミテット |
車両価格 | 700,000円 |
ナビTV | 付き |
自賠責保険 | 車検1年付き |
重量税 | - |
環境性能割 | 免税 |
合計 | 700,000円 |
ローン/月 | 9,249円/月 銀行金利3% 7年ローン 4年後、20万~30万円の買取でローン返済できる |
ミライース 実際の自動車保険料金
上は、あいおいニッセイ同和損害保険で軽自動車(ミライース)の自動車保険を新規で加入した場合の見積もりです。親の保険を引き継がずに新規で加入すると、自動車保険は月払いで15,220円(年間173,930円)となります。また、110万円の車両特約を付けると、年間394,710円にもなってしまいます。
しかし、親の20等級の保険を引き継いで加入すると、一般的な補償内容で月払い6,750円に抑えることができます。さらに、110万円の車両保険を付けた場合でも月払い14,080円となり、大幅に保険料を節約できます。
シュミレーション結果
ミライース | 新車 | 中古車 |
---|---|---|
1.車両購入費用 | 17,705円/月 | 9,249円/月 |
2.維持費 | 10,805円/月 | 11,805円/月 |
3.自動車保険 | 6,750円/月 | 6,750円/月 |
総合維持費 合計 | 35,260円/月 | 27,840円/月 |
ダイハツミライースを購入する場合のシュミレーションの結果、27,000円~35,000円で車通学が可能になりました。
余裕があるのであれば、1万円くらい足して維持費がほとんど同じアクアなどのコンパクトカーを購入することも夢ではありません。
車を購入せずに、親の車を借りたり譲ってもらうッた場合、ローンの支払いがないので、もっと維持費を低額に抑える事が出来ます。
まとめ 学生「車の維持費」はどのくらい?おすすめ軽自動車とシミュレーション
学生の通学に最適な軽自動車を選ぶ際には、車両本体価格の安さ、燃費の良さ、税金の低さ、故障や修理の少なさ、自動車保険の安さが重要なポイントとなります。上記の車種はこれらの条件を満たしており、学生の皆さんにとって経済的かつ実用的な選択肢です。車を購入する際には、親御さんと相談し、納得のいく一台を選んでください。
私も経験がありますが、バスや電車を使った遠距離通学はけっこう苦痛です。
時間に縛られ、行動範囲も限られ、乗り換えがあればさらに負担がかかります。1本乗り遅れたら絶対に授業に遅刻します。帰宅時間に縛られ課外ゼミや友人の誘いをいつも断り、悲しい思いをしました。
また授業の合間など1人きりになって時間を潰したい時でも、車という自分だけの空間を持つことが出来ます。
人それぞれではありますが、私は50代になった今でも、電車通学で人生の大切な時間を失ったことを後悔しています。
今回、軽自動車の維持費を計算してみましたが、電車やバスの定期代が高額な場合は、車通学の維持費とさほど変わらないことが解りました。
親御さんは、遠距離での車通学は交通事故のリスクも考えてしまいます。しかし、車を持つことでお子様が時間にゆとりを持てる事や、行動範囲が広がる事で得られる多くの人生経験を尊重してあげてください。
すでに遠距離通学をしている大学生の親御さんも、ぜひお子様の車通学を検討してほしいものです。