「10万kmを超えた中古車はやめた方がいいですか?」
これは、当店で中古車をご検討されるお客様から本当によくいただく質問です。
インターネットを見ると、
- 「10万kmは寿命だからやめた方がいい」
- 「最近の車は20万kmでも問題ない」
など、さまざまな意見があり、どれを信じればいいのか迷ってしまいますよね。
結論からお伝えすると、私は認証整備工場で整備・中古車販売をしている立場として、「10万kmだからダメ」とは考えていません。
実際に当社では、10万kmを超えた中古車を販売することもありますし、その後20万km近くまで大きな故障もなく乗られているお客様もいらっしゃいます。
一方で、10万km前後で修理代が高くなりそうだからと、整備をせずに手放される車も数多く見てきました。
つまり、本当に大切なのは走行距離ではなく、これまでどのような整備を受けてきた車なのかです。
この記事では、認証整備工場として数多くの中古車を見てきた経験から、
- 10万km超えでも買っていい中古車
- 避けた方がいい中古車
- 長く乗れる車を見極めるポイント
について、整備士の本音でお伝えします。
走行距離10万kmの中古車は大丈夫?結論は「状態次第」

最初に結論です。
私は整備士として、10万kmを超えているという理由だけで購入をやめる必要はないと思っています。
昔の車と比べると、最近の車はエンジンやミッションの耐久性が大きく向上しています。
定期的にオイル交換や点検を受けている車なら、20万km以上走ることも珍しくありません。
実際に当社のお客様でも、10万kmを超えた中古車をご購入いただき、
- 3,000kmごと、または3か月ごとのオイル交換
- 毎年の12か月点検
- 消耗部品を早めに交換
というメンテナンスを続けながら、20万km近くまでほとんど故障なく乗られている方がいらっしゃいます。
逆に、走行距離が少なくても、メンテナンスを怠っていた車は思わぬ高額修理が必要になることもあります。
中古車選びでは、走行距離よりも「整備されてきたかどうか」の方が何倍も重要なのです。
私が10万km超えでも「買っても良い」と思う中古車
では、どんな10万km超えの中古車ならおすすめできるのでしょうか。
当社では仕入れや販売前点検の際に、特に次のポイントを重視しています。
整備記録簿がしっかり残っている車

私が一番重視しているのは整備記録簿(メンテナンスノート)です。
記録簿を見ることで、
- 定期点検を受けていたか
- オイル交換をきちんとしていたか
- 消耗部品を交換しているか
などが分かります。
10万km前後では、
- ウォーターポンプ
- サーモスタット
- イグニッションコイル
- スパークプラグ
- ブレーキ関係
などの部品交換が必要になる車種も少なくありません。
これらがきちんと交換されている車は、その後も安心して乗れる可能性が高くなります。
中古車選びでは、価格よりも「どんな整備を受けてきた車なのか」をぜひ確認してください。
水回りや点火系の部品が交換されている車

10万kmを超えると、エンジン本体よりも周辺部品が寿命を迎えるケースが増えてきます。
例えば、
- ウォーターポンプ
- ラジエーター
- サーモスタット
- イグニッションコイル
- スパークプラグ
などです。
こうした部品は、故障してから交換するとレッカーが必要になる場合もあります。
逆に、すでに交換済みであれば、購入後しばらくは安心して乗れる可能性が高くなります。
整備工場では、このような交換履歴を確認しながら車の状態を判断しています。
内装がきれいな車

中古車を見るとき、多くの方はボディのキズばかり気にされます。
しかし、私たち整備士は内装もよく見ています。
例えば、
- シートの傷みが少ない
- ハンドルの擦れが少ない
- タバコ臭がない
- ペット臭がない
このような車は、普段から丁寧に扱われていた可能性が高いと感じます。
もちろん例外もありますが、内装はオーナー様の車に対する扱い方が表れやすい部分です。
下回りのサビが少ない車
これは一般的な中古車サイトではあまり書かれていませんが、整備士として非常に重要視しているポイントです。
当社では仕入れの際、必ず下回りを確認します。
特に海沿いで使用されていた車は注意しています。
実際にこれまで何台も見てきましたが、ボディはピカピカでも下回りはサビだらけという車は珍しくありません。
下回りがひどくサビていると、
- マフラー
- 足回り
- ブレーキ配管
- ボルト類
などの整備にも影響が出ます。
そのため当社では、見た目がきれいでもサビがひどい車は仕入れを見送ることがあります。
これは、認証整備工場として数多くの中古車を整備してきた経験から判断しているポイントです。
10万kmを超えた中古車でも長く乗れるお客様には共通点があります

「10万kmを超えた中古車は、あと何年くらい乗れますか?」
これもよくいただく質問です。
正直なところ、「何年乗れるか」は車種よりも、その後のメンテナンス次第だと感じています。
当社でも10万kmを超えた中古車をご購入いただき、20万km近くまで大きな故障なく乗られているお客様が何人もいらっしゃいます。
そうしたお客様には共通点があります。
- 3,000kmごと、または3か月ごとにオイル交換をしている
- 毎年12か月点検を受けている
- 異音や違和感を感じたら早めに整備工場へ持ち込む
- 消耗部品を「壊れてから」ではなく「壊れる前」に交換している
反対に、「車検まで何もしない」「音がしてもそのまま乗り続ける」という乗り方では、小さな不具合が大きな故障につながるケースも少なくありません。
中古車は購入した時の状態も大切ですが、それ以上に購入後のメンテナンスで寿命が大きく変わるというのが、私たち整備士の実感です。
実は10万km前後で車を手放す人が多い理由
中古車販売をしていると、10万km前後で買い替えを検討されるお客様はとても多くいらっしゃいます。
理由をお聞きすると、
「そろそろ修理代がかかりそうだから。」
というお答えが一番多い印象です。
例えば、
- タイヤ交換の時期
- バッテリー交換
- 足回りの部品交換
- エアコンや電装品の不具合
- 車検費用が高くなりそう
など、「これからまとまったお金がかかるなら買い替えよう」と考えられる方が少なくありません。
中には、
「どうせ売るから部品交換はしません。」
とおっしゃる方も実際にいらっしゃいます。
もちろん、すべての車がそうではありません。
しかし、だからこそ私は10万km前後の中古車を選ぶ際には、整備記録簿を確認することをおすすめしています。
どんな整備を受けてきた車なのかが分かれば、購入後のリスクもある程度判断できるからです。
▶ 関連記事:10年・10万kmの車は車検を受ける?買い替える?整備士が判断基準を解説
10万km超えの中古車は「安さ」だけで選ばないことが大切です
10万kmを超えた中古車は、同じ車種・年式でも価格に差があることがあります。
その理由の一つが、販売前にどこまで点検・整備・部品交換を行っているかです。
ディーラーや認証整備工場では、お客様に安心して長く乗っていただくため、販売前に細かな点検を行い、必要に応じて消耗部品を交換してから納車するのが一般的です。
だから、販売価格も当然、高くなります。
例えば、
- エンジンやミッションからのオイル漏れ
- 冷却水漏れ
- 下回りのサビや腐食
- ドライブシャフトブーツなどゴム部品の劣化
- バッテリーの状態
- エアコンの作動状況
- セルモーターやオルタネーターなど電装品の状態
などを確認し、これから故障につながる可能性がある箇所は整備してから販売します。
一方で、販売前の整備を最低限に抑え、その分価格を安くしている中古車販売店もあります。
もちろん、すべてが悪いわけではありませんが、10万kmを超えた中古車だからこそ、「いくら安いか」ではなく、「どこまで整備されているか」を確認することが大切です。
当社でも認証整備工場として、販売前には車の状態を細かく点検し、安心してお乗りいただけるよう必要な整備を行ったうえで納車しています。
「なぜ安い中古車には注意が必要なのか?」については、実際によくあるケースをこちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ 関連記事:安い中古車には理由がある?購入前に知っておきたい注意点
こんな方には10万km超えの中古車もおすすめです
10万kmを超えた中古車は、すべての人に向いているわけではありません。
しかし、目的によっては非常にお買い得な選択になることもあります。
実際に当社では、
- お子様が初めて免許を取得したので練習用として購入したい
- 昔から憧れていた車だけど、新車や低走行車は予算が合わない
- セカンドカーとして使いたい
- 通勤や買い物程度で年間走行距離が少ない
- 数年間乗れれば十分
というお客様が、10万kmを超えた中古車を選ばれることがあります。
一方で、
「毎日長距離を走る」
「できるだけ故障の心配を減らしたい」
という方は、予算が許せば走行距離が少ない車を選ぶのも一つの方法です。
大切なのは、「10万kmだからダメ」と決めつけるのではなく、ご自身の使い方に合った車を選ぶことです。
10万km超えの中古車をもっと安く買うコツ
「10万kmを超えた中古車なら、少しでも安く購入したい。」
そう考える方も多いと思います。
実は、中古車の価格を値切ることよりも、今乗っている愛車を高く売る方が、結果的に安く乗り換えられるケースが少なくありません。
ディーラーで査定した「下取り車」の価格は、かなり低く見積もられています。
でも、ディーラーは、人件費や車両保管、整備等の経費が多く掛かかるので仕方ないんですよね。
買取専門店ですと平気で20万円以上高く見積もられる事があります。
でも、自分の車の相場が高いのか安いのか分かっていないと、ディーラーの査定額が高い安いの判断が出来ません。
私自身、時間がない時によく利用しているのが、
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まとめ|10万kmという数字だけで判断するのはもったいない
この記事では10万km超えの中古車について解説しましたが、中古車選び全体で失敗したくない方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 関連記事:初心者でも失敗しない中古車の選び方|整備士がチェックポイントを解説
「10万kmを超えた中古車はやめた方がいいですか?」
認証整備工場として数多くの中古車を見てきた私の答えは、
「走行距離だけでは判断できません。」
大切なのは、
- これまでどのようなメンテナンスを受けてきたか
- 消耗部品が適切に交換されているか
- 下回りのサビや車全体の状態はどうか
といった「車の中身」です。
実際に当社でも、10万kmを超えていても20万km近くまで元気に走っている車を何台も見てきました。
一方で、走行距離が少なくても整備不足で高額な修理が必要になる車もあります。
「10万kmだからやめる」のではなく、「状態の良い10万kmの車を選ぶ」ことが、満足できる中古車選びにつながります。



