「10年落ちの車は車検代が高くなるって聞いたけど、このまま乗るべき?」
「次の車検も20万円かかるなら買い替えた方がいいの?」
当店でもこのような相談をよくいただきます。
実際に先日、13年目・11万km走行のジムニーシエラオーナー様からこのような相談がありました。
「前回の車検で20万円くらいかかったんです。知人から『13年目以降はもっとお金がかかる』と聞いて心配になりました。次の車検も20万円かかるなら、新車に買い替えた方がいいのでしょうか?」
今回は認証整備工場として、実際の現場で感じていることを交えながら、10年落ちの車は車検を取るべきか、それとも買い替えるべきかを解説します。
結論:金額だけで考えるなら車検を取った方が安い

先に結論から言うと、
「大きな故障がなく、今の車に不満がないなら車検を取った方が安い」
ケースがほとんどです。
なぜなら車検費用が高くなったとしても、新車購入費用と比較すると圧倒的に安いからです。
実際の相談事例|13年目・11万kmのジムニーシエラ

お客様の車両情報
- ジムニーシエラ
- 13年目
- 走行距離11万km
- 前回車検費用:約20万円
お客様が心配されていたのは、
「今回20万円だったから、次回も20万円、さらにその次も20万円かかるのでは?」
という点でした。
確かに10万kmを超えると、
- ショックアブソーバー
- ハブベアリング
- ブッシュ類
- ウォーターポンプ
- ラジエーター
- エンジンマウント
など経年劣化する部品が増えてきます。
しかし整備工場の立場から言うと、
一度交換した部品は、次回の車検ですぐ交換になるケースは少ない
のです。
車検で20万円かかったから次回も20万円とは限らない

実際にお客様から
「前回の車検で20万円かかったので、次回も20万円かかりますか?」
という質問をいただくことがあります。
しかし、車検費用は前回何を交換したかによって大きく変わります。
例えば前回の車検で
- タイヤ交換
- バッテリー交換
- ブレーキパッド交換
- ベルト類交換
- ブレーキオーバーホール
などを実施していた場合、次回車検で同じ整備が必要になるとは限りません。
そのため前回20万円だったとしても、次回は10万円台前半で済むケースもあります。
一方で、水漏れやクラッチ交換など高額修理が含まれていた場合は話が変わります。
大切なのは「前回いくらだったか」ではなく、「何にお金が掛かったのか」を確認することです。
ただし10万km超えの車は注意
「10万kmを超えたからすぐ買い替えるべき」というわけではありません。
実際に当店でも15万km以上、20万km以上走行している車は珍しくありません。
しかし、10年・10万kmを超えると部品の経年劣化が重なり始めるため、車検時の整備費用が高くなる可能性があります。
特に注意したいのが次のような部品です。
水回りの部品

年数が経過すると、
- ラジエーター
- ウォーターポンプ
- サーモスタット
- ラジエーターホース
などが劣化します。
冷却水漏れを放置するとオーバーヒートにつながるため、車検時に交換をおすすめすることもあります。
点火系部品
10万km前後になると、
- スパークプラグ
- イグニッションコイル
などの劣化によるエンジン不調が発生することがあります。
「加速が悪い」
「アイドリングが不安定」
「エンジン警告灯が点灯した」
といった症状が現れることもあります。
足回りやゴム部品

車検でよく見つかるのが、
- ロアアームブーツ
- ボールジョイントブーツ
- タイロッドエンドブーツ
- スタビライザーリンク
などの劣化です。
ゴム部品は年数とともにひび割れや破れが発生しやすくなり、車検に通らないケースもあります。
バッテリーやセルモーター

エンジンが掛かりにくい原因として、
- バッテリーの劣化
- セルモーターの摩耗
も増えてきます。
特に10万kmを超えた車ではセルモーター交換が必要になることもあります。
エアコンや電装品
最近増えているのが、
- エアコンコンプレッサー
- オルタネーター
- 電動ファンモーター
などの電装系トラブルです。
これらは故障すると数万円から十数万円の修理費用が発生することがあります。
車検費用が高くなる理由は「年式」より「劣化の重なり」
10年落ちの車の車検費用が高くなるのは、年式そのものが原因ではありません。
複数の消耗部品が同時期に交換時期を迎えるためです。
例えば、
- タイヤ交換
- バッテリー交換
- ブーツ交換
- プラグ交換
- タイヤ交換
が重なるだけでも数万円単位で費用は増えていきます。
そのため10万kmを超えた車は、「次の車検も20万円かかる」のではなく、「どの部品が交換時期を迎えているか」を確認することが大切です。
認証整備工場として感じるのは、10年落ちだから買い替えるべきではなく、今後必要になる整備費用と車両状態を見ながら判断することが重要だということです。の方は、買い替えも含めて検討する価値があります。
ジムニーノマドに買い替えた場合の費用を計算してみた

今回のお客様には、参考として新型ジムニーノマドのお見積りも作成しました。
ジムニーノマド見積り例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 車両本体価格 | 2,805,000円 |
| オプション価格 | 275,220円 |
| 諸経費 | 220,660円 |
| 合計 | 3,300,880円 |
諸経費の一例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 自動車税 | 27,900円 |
| 自動車重量税 | 36,900円 |
| 自賠責保険料 | 24,190円 |
合計すると、
約330万円
になります。
車検5回分と新車購入を比較すると?
今回ご相談いただいたお客様は、
「車検のたびに20万円かかるなら新車に買い替えた方がいいのでは?」
と悩まれていました。
そこで、仮に今後10年間乗り続けると仮定して比較してみました。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 車検(20万円×5回) | 約100万円 |
| ジムニーノマド新車購入 | 約330万円 |
| 差額 | 約230万円 |
でも、新車を買っても維持費がゼロになるわけではありません。この先タイヤ交換や修理代は掛かります。
実際に計算してみると、車検のたびに20万円掛かったとしても、10年間で100万円です。
今回見積もりしたジムニーノマドは約330万円。
金額だけで考えるなら、今の車の車検を受けながら乗った方が安く済みます。
私自身、お客様から「20万円掛かったから買い替えた方がいいですか?」と相談を受けることがありますが、車の状態を見て「まだ十分乗れますよ」とお伝えすることも少なくありません。
逆に、
- 毎年修理が続いている
- 遠出するのが不安
- 安全性能が気になる
という場合は買い替えを考えてもいいと思います。
大切なのは「車検代が高かったから買い替える」ではなく、「あと何年乗りたいか」で考えることです。する場合や、安全性能の向上を重視する場合は買い替えも選択肢になるでしょう。
認証整備工場としての考え
私たちは「古い車だから買い替えましょう」とは基本的に考えていません。
むしろ、
- エンジンやミッションに大きな不具合がない
- サビが深刻ではない
- 修復歴による問題がない
のであれば、
10年落ちでも15年落ちでも十分乗れる車はたくさんあります。
実際に当店でも
- 15年超
- 20万km超
で元気に走っている車は珍しくありません。
ただし、
- 車検のたびに20万円以上かかる
- 毎年修理が発生する
- 長距離利用が多く不安
という場合は買い替えも現実的な選択肢です。
こんな人は車検がおすすめ
- とにかく費用を抑えたい
- 今の車が気に入っている
- 大きな故障がない
- 年間走行距離が少ない
こんな人は買い替えも検討
- 年間2万km以上走る
- 故障が続いている
- 安全性能を重視したい
- 長距離移動が多い
- 修理費が毎年発生している
よくある質問(Q&A)
Q. 13年目の車検で20万円かかりました。次回も20万円かかりますか?
A. 必ずしも同じ金額がかかるとは限りません。前回の車検で消耗品や劣化部品を交換している場合、次回の車検では交換箇所が少なくなり、費用が抑えられるケースもあります。実際に当店でも「前回20万円だったけど今回は10万円台で済んだ」というお客様は少なくありません。
Q. 10万kmを超えた車は買い替えた方がいいですか?
A. 10万kmはあくまで目安です。エンジンやミッションに大きな不具合がなければ、15万kmや20万km以上走る車も珍しくありません。ただし、年間走行距離が多い方は今後の修理費用も考慮して買い替えを検討するのがおすすめです。
Q. 車検と新車購入ではどちらが安いですか?
A. 金額だけで比較すると車検の方が安いケースがほとんどです。例えば車検で毎回20万円かかったとしても、5回で100万円です。一方、今回見積もりしたジムニーノマドは約330万円でした。費用を優先するなら車検継続がおすすめです。
Q. 整備士は10年落ちの車の買い替えをすすめますか?
A. 当店では年式だけで買い替えをおすすめすることはありません。車の状態を確認し、今後必要になる整備費用やお客様の乗り方を考慮して判断しています。大きな故障がなければ、10年落ちでも十分乗り続けられる車はたくさんあります。
まとめ
10年落ち・13年落ちの車でも、
「車検代が高い=買い替えた方が得」ではありません。
今回のジムニーシエラの事例でも、
- 車検費用20万円
- 新車購入330万円
を比較すると、金額面では車検継続の方が有利でした。
また、前回車検で高額整備をしている場合は、次回も同じだけかかるとは限りません。
認証整備工場としての経験上、
「あと何年乗りたいか」と「年間走行距離」を基準に判断するのがおすすめです。
車検を取るべきか、買い替えるべきか迷っている方は、お気軽にご相談ください。実際の車両状態を確認しながら、無理のない選択をご提案いたします。
