「ユーザー車検って危ないの?」
「車検代を節約したいから、自分で通したい」
「代行業者に頼めば問題ない?」
認証整備工場で長年さまざまな車を見てきた立場から言うと、ユーザー車検そのものが危険なのではなく、整備や点検をせずに車検だけ通し続けることが危険です。
特に古い車や過走行車は、費用を抑えることだけを優先すると、結果的に大きな修理代がかかったり、安全面で重大なリスクを抱えたりするケースがあります。
ユーザー車検とは?

ユーザー車検とは、車の所有者自身が運輸支局や軽自動車検査協会へ車を持ち込み、自分で継続検査を受ける方法です。
大まかな流れは次のとおりです。
- 必要書類を準備する
- 車検証・ 自賠責保険証明書・税納税証明書・記録簿・印鑑(認印)・申請書類(継続検査申請書・重量税納付書・自動車検査票)
- 車検の予約をする
- 当日に検査場へ車を持ち込む
- 保安基準に適合しているか検査を受ける
- 合格すれば新しい車検証が交付される
業者へ依頼するより費用を抑えられるため、車好きの方やDIY整備が得意な方には人気があります。
ユーザー車検が危ないと言われる理由
勘違いされやすいのですが、車検は「その日の検査に合格した」という確認であり、2年間故障しない保証ではありません。
検査に通っても、劣化が進んでいる部品や、近いうちに交換が必要な部品が残っていることは珍しくありません。
そのため、点検や予防整備を行わずに「通ればOK」という考え方は危険です。
車検に通ったからといって、次の車検まで故障しないわけではないんですよね。
関連記事:「車検と12か月点検の違いとは?車検に通っても安心できない理由」
整備士並みの知識と点検ができるなら問題ない
正直なところ、自分で日常点検ができて、足回りやブレーキ、オイル漏れ、ゴム部品の劣化などを判断できる技量があるなら、ずっとユーザー車検を選ぶこと自体は問題ないと考えています。
実際に車いじりが趣味で、自分で消耗品交換や整備をしている方もいます。
しかし、「車のことはよく分からないけれど、安く済ませたいからユーザー車検だけ受ける」という使い方はおすすめできません。
特に古い車ほど事前整備が重要
年式が古い車や走行距離が多い車ほど、見た目では分からない劣化が進んでいます。
例えばブレーキホースやゴムブーツ、各種シール類などは、ある日突然トラブルが起きることがあります。
「壊れたら整備工場へ持っていけばいい」と考える方もいますが、走行中にブレーキホースが破損してブレーキ性能が大きく低下したら、修理代だけの問題では済みません。
事故につながる可能性もあるため、古い車ほど不具合が出る前の点検・予防整備が大切です。
関連記事:「車検費用が高くなる車の特徴7選|認証整備工場で実際によくあるケース」
認証整備工場で実際によくある話
私たちの工場でも、ユーザー車検を続けていた車が後になって修理で入庫するケースがあります。
その中には、
「もっと早く整備していれば、この部品だけ交換すれば済んだのに……」
というケースが少なくありません。
部品単体で交換できたものが、損傷が広がってアッセンブリー(セット交換)になり、結果として修理費用が高額になることがあります。
また、長年ギリギリの状態で車検だけ通していた車は、一か所だけでなく周辺部品まで劣化していることも多く、修理内容によっては作業をお断りせざるを得ないケースもあります。
実際の車検で、見積もり後に追加整備が必要になるケースは別記事で詳しく紹介しています。
関連記事:「車検でよくある追加費用ランキング!認証整備工場の実例を公開」
「調子が悪くなってから修理」で本当に大丈夫?

異音や振動など前兆がある故障もありますが、すべてがそうではありません。
突然の故障は予測できないことも多く、安全に直結する部品なら重大事故につながる恐れがあります。
そのため、故障してから修理するよりも、定期的な点検で早めに異常を発見し、必要な整備を行うほうが安心で、結果的に費用を抑えられるケースも少なくありません。
ユーザー車検は時間的なコストも考えたい
ユーザー車検は基本的に平日の受付です。
仕事を休まなければならない方にとっては、その時間的コストも無視できません。
場合によっては、その時間を本業に充てて収入を得て、車検や整備をプロへ任せたほうが結果的に負担が少ないこともあります。
安い車検で後悔しやすい人・しにくい人については、こちらでも詳しく解説しています。
関連記事:「安い車検って本当に大丈夫?格安車検で後悔する人・しない人の違い」
向いている人・向いていない人
ユーザー車検が向いている人
- 車いじりが趣味
- 日常点検や整備の知識がある
- 消耗品交換を自分で判断できる
- 平日に時間を確保しやすい
あまり向いていない人
- 車の仕組みがよく分からない
- とにかく安さだけを重視している
- 点検やメンテナンスをほとんどしない
- 古い車を長く乗り続けている
また、整備経験が少ない方が無理にDIYで修理をすると、部品を壊したり組み付けミスをしたりして、かえって高くつくこともあります。
もちろん、それをきっかけに整備を学び、趣味として楽しむのは素晴らしいことです。
お金が心配なら整備工場へ相談を
「整備が必要なのは分かるけれど、一度に大きな出費は厳しい…」という方もいると思います。
そんなときは、まず整備工場に相談してみましょう。必要な整備の優先順位を一緒に考えてくれますし、工場によっては車検ローンを利用できる場合もあります。
また、できるだけ費用を抑えたいなら、近くの整備工場を比較できる車検予約サイトを利用するのもおすすめです。
ネットで見積もり依頼ができたり、複数の工場を比較できたりするので、自分に合ったお店を見つけやすくなります。
安さだけで決めるのではなく、整備内容や実績、口コミなども確認しながら選ぶと、安心して車検を任せられます。
当サイトでも、おすすめの車検比較サービスを紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
私自身は、知識と整備技術があり、普段から点検できる人ならユーザー車検を否定するつもりはありません。
しかし、車の状態を確認せず、費用を抑える目的だけで何年もユーザー車検を続けるのはおすすめできません。
車検は「合格すること」が目的ではなく、「安全に乗り続けること」が本来の目的です。
特に年数が経過した車ほど、故障してからでは遅いケースがあります。
安心して愛車に乗り続けるためにも、定期的な点検と必要な整備を行い、安全を最優先に考えることが大切だと、認証整備工場として日々感じています。





