引っ越し後、つい忘れがちな手続きの一つが車検証の住所変更です。実は、この住所変更は道路運送車両法に基づき、「引っ越し後15日以内」に行うことが義務付けられています。
しかし、万が一15日を過ぎてしまった場合でも、慌てる必要はありません。迅速に対応するための方法がいくつかあります。この記事では、認証整備工場の経験をもとに、今すぐできる対処法や注意点を詳しく解説しますので、安心してお読みください。
車検証の住所変更が15日を過ぎた!今すぐできる対処法と注意点【車屋さんの知恵袋】
なぜ15日以内の手続きが重要なのか?
車検証の住所変更を行う理由は、単に書類上の住所を最新にするだけでなく、次の点で重要な意味を持っています。
1.罰金50万円以下の可能性!
車検証の住所変更をしないまま15日を過ぎると、道路運送車両法第109条第2号に基づき、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。罰金が実際に科せられるケースは少ないですが、「法律違反」であることには変わりません。引っ越し後は、早めに手続きを済ませておくことで安心して車に乗り続けることができます。実際の罰則ケースは、下記に紹介しています。
2.重要な書類が届かないリスク
旧住所に自動車税の納付書やリコール通知が送付されるリスクがあります。特に自動車税の納付書が届かないと、納付遅れや延滞金の発生、最悪の場合は納付の滞納により、車検が通らなくなる可能性もあります。重要な書類が届かない事態を避けるためにも、早急に住所変更を行うことが必要です。
3.事故やトラブル発生時に対応が遅れる可能性
もしも交通事故やトラブルが発生した際、車検証の住所が古いままだと、警察や保険会社に正しい情報が伝わらず、対応が遅れる可能性があります。緊急時には迅速な対応が求められるため、住所は最新の情報に更新しておくことが、自分自身や他者の安全を守るために重要です。
4.自動車税が未納に!!
車検証の住所変更を行わないと、自動車税にも影響があります。自動車税の納付書は車検証に登録された住所宛に送られるため、変更を怠ると旧住所に届き、納付が遅れてしまう恐れがあります。この結果、延滞金が発生したり、車検の更新ができなくなったりすることがあるため注意が必要です。
さらに、自動車税は各都道府県が管轄しており、引っ越し先によって税額が異なる場合があります。新しい住所地に合わせて車検証の住所を正確に変更することで、適正な税金が課せられるようになります。
5.自動車保険が使えない?
住所変更を怠ると、自動車保険にも影響があります。住所が正しく登録されていないと、事故が発生した際の保険金支払いが遅れたり、場合によっては支払いが拒否されるリスクもあるため、早めに住所変更を行い、最新の情報を保険会社に通知することが重要です。
実際に罰金が科せられることはあるの?認証整備工場の経験から語る実情
実際の罰則ケースは?
長年、運輸省認証整備工場として数多くのお客様から車検証の住所変更を依頼されてきました。その中には、5年以上住所変更を忘れていたというお客様もいらっしゃいましたが、手続き時に罰金が科せられたケースはこれまで一度もありません。
これは、車検証の住所変更を行わなかったことで直ちに罰金が科せられるわけではないことを示しています。
しかし、安心は禁物です。警察署の方に伺ったところ、事故やトラブルが発生した際に車検証の住所が古いままだと、状況によっては罰金が科せられることもあるとのこと。特に悪質な駐車違反や重大な事故が発生した場合には、車検証の住所不備が問題となり、罰則の対象となることがあります。
特に軽自動車(車庫証明が必要な地域)では注意が必要!
一般的に軽自動車は車庫証明が不要ですが、引っ越した先が義務地域(人口10万人以上の都市や、県庁所在地がある地域)であった場合、車庫証明が必要になります。知らずに車庫証明の届出を怠ると、さらに重大な罰則が科せられる可能性があります。
自動車の保管場所の確保等に関する法律
第五条 軽自動車である自動車を新規に運行の用に供しようとするときは、当該自動車の保有者は、当該自動車の保管場所の位置を管轄する警察署長に、当該自動車の使用の本拠の位置、保管場所の位置その他政令で定める事項を届け出なければならない。
罰則 軽自動車の車庫証明に置いて、新規届出・変更届出をしない場合、又は虚偽の届出をした場合は、10万円以下の罰金が科せられます。
自動車の保管場所の確保等に関する法律
住所変更や車庫証明の手続きは、リスク回避のために必ず行うべきです。 特に、都市部などの車庫証明が必要な地域では、こうしたルールを守らないことで大きな罰金が発生する可能性があるため、早めの対応をお勧めします。
詳しい車庫証明の義務地域はこちらから確認できるので、不安な方はチェックしてください。
全国軽自動車協会連合会HP
15日を過ぎてしまった場合の対応方法
もし住所変更を忘れて15日以上経過してしまった場合でも、慌てる必要はありません。すぐに手続きを行えば問題ありません。
必要な書類の準備
軽自動車の場合
- 住民票(取得して3か月以内のもの)
旧住所と新住所の両方が確認できるもの。複数回引っ越しをしている場合は、住所移動の履歴が記載された戸籍の附票も必要です。 - 車検証
- 車庫証明(必要な地域)
- 印鑑(軽自動車の場合、2021年より原則押印廃止となりました)
普通車の場合
- 印鑑証明(取得して3か月以内のもの)
- 住民票(取得して3か月以内のもの)
旧住所と新住所の両方が確認できるもの。複数回引っ越しをしている場合は、住所移動の履歴が記載された戸籍の附票も必要です。 - 車検証
- 車庫証明
- 実印
手続き方法
- 運輸支局へ行く
最寄りの運輸支局、または軽自動車協会に行き、「車検証の住所変更」を行う書類と申請書を提出します。申請書は窓口で無料で手に入り、書き方見本も置いてあります。手続き料は、普通車で500円の印紙代、軽自動車で350円がかかります。ナンバーを変更する場合はナンバー代金2,500円前後(管轄により料金は異なる)が必要です。詳しくは、窓口で確認するか、事前にウェブサイトで調べておくとスムーズです。 - オンラインでの手続きも可能
一部の運輸支局では、住所変更手続きをオンライン(ワンストップサービス)で申し込みが可能です。郵送受け取りも受け付けているので、最寄りの運輸支局に問い合わせて確認しましょう。 - 最寄りのディーラーや修理工場、行政書士に依頼する
手続きが不安な方は、最寄りのディーラーや修理工場、または行政書士に依頼することもできます。同じ地域での住所変更はお安いですが、車庫証明の有無、ナンバー変更、封印の有無などにより手数料が高額になり7,000円~30,000円で依頼することができます。
住所変更にかかる日数
- 同じ管轄内での変更: 最短1日から1週間。
- 車庫証明が必要な場合: 1週間から10日。
- 車庫証明とナンバー変更が必要な場合: 1週間から2週間。
これらの期間は、書類の準備や混雑状況により変動する可能性がありますので、早めに手続きを行うことをお勧めします。特に普通車のナンバー変更の場合、陸運局に車を持ち込んで封印をしてもらう必要があります。時間に余裕を持って行動することが重要です。
車検証の紛失・破損時の対処法
万が一、車検証を紛失したり、破損したりした場合はどうすれば良いのでしょうか?その場合も焦らずに対応すれば大丈夫です。平日に時間が取れない場合は、車を購入したディーラー、車検を行なっている認証工場、もしくは行政書士などに依頼することができます。
- 紛失した場合
自動車検査証(車検証)の再交付は、ナンバープレートに記載された地名の運輸支局または軽自動車検査協会で行うことができます。必要な書類は「申請書」「印鑑」「印鑑証明または住民票」「再発行手数料」です。 - 破損した場合
破損した車検証を持参して運輸支局に行き、同じく再発行の手続きを行います。破損部分が判読できる場合は、そのまま持参して手続きを進められます。
まとめ:車検証の住所変更が15日を過ぎた!今すぐできる対処法と注意点
車検証の住所変更は、法律に基づいて行う義務があり、15日を過ぎてもすぐに罰則が適用されるわけではありませんが、トラブルを避けるためにも早めに対応することが望ましいです。
また、自動車税や自動車保険への影響も考慮し、引っ越し後は迅速に住所変更手続きを進めることで、安心して車を利用できる環境を整えましょう。もし手続きが煩雑に感じる場合は、当社での代行サービスもございますので、ぜひご利用ください。
【当社でのお手続きサポート】
当社では、車検証の住所変更の代行を行っています。お忙しい方や手続きが不安な方は、お気軽に当社のサービスをご利用ください。